しかし、いざ実施しようとなると悩むのが「アンケート項目の作成」です。 改善に役立つような結果を得るためには、どのような質問をいくつ用意すればいいのだろうか。こんなお悩みを抱えている方のために、今回はNPS調査のアンケート項目の作り方についてまとめました。 この記事を読むと、NPSのアンケート項目の作り方やコツがわかります。はじめてNPS調査を実施するときや、今実施しているNPS調査をよりブラッシュアップするときの参考にしてください。 効果が出るアンケート!質問設計からExcel集計まで完全ガイド

NPSアンケートに含めるべき情報・要素

NPSアンケートには必ず含めるべき情報・要素として、以下の4つが挙げられます。

NPSアンケートに含めるべき情報・要素推奨度スコアスコアをつけた理由ロイヤリティ構成要素の確認属性・セグメント・行動NPSアンケートの作成手順ステップ1:NPS調査の目的を明確にするステップ2:NPS調査の種類を確認するステップ3:質問事項を洗い出すステップ4:質問事項を絞り込む具体的な質問事項の洗い出し方ステップ1:認知から購入までの過程を書き出すステップ2:それぞれの過程におけるタッチポイントを書き出すステップ3:タッチポイントから質問事項をリストアップするNPSアンケートの項目作成のコツ1.推奨度は最初に尋ねる2.質問は7問以内3.回答にかかる時間は5分以内まとめアンケート作成・公開・集計までワンストップ!誰でも簡単に使える『CREATIVE SURVEY』(PR)

推奨度スコアスコアをつけた理由ロイヤリティ構成要素の確認属性・セグメント・行動

それぞれについてどのような情報・要素なのか、なぜ必要なのかを説明します。

推奨度スコア

まず確認すべきは、推奨度スコアです。推奨度スコアは「この商品・サービスをおすすめしたいか」と質問し、顧客には0~10の11段階で回答してもらいます。 推奨度スコアは、NPSを算出するのに必要な情報です。アンケートでは必ず質問しなければいけません。

スコアをつけた理由

推奨度スコアを質問したあとは、そのスコアをつけた理由について自由に回答してもらいます。 自由にコメントしてもらうことて、顧客が自社の商品・サービスをどう思っているかを具体的にさぐります。 NPS調査の結果を分析する時の参考に使いましょう。

ロイヤリティ構成要素の確認

続いて、ロイヤリティ構成要素の確認です。ロイヤリティ構成要素とは「顧客がなにを評価しているかの具体的なポイント」です。 ロイヤリティ構成要素は、飲食店の例で見たように場合によっては省略することもありえます。しかし具体的な改善点を洗い出すには必要な項目なので、できるかぎり盛り込むことをおすすめします。

属性・セグメント・行動

顧客の属性・セグメント・行動も確認しておきましょう。質問する項目は先の飲食店の例にあるように、性別や来店回数などです。 この質問は、NPS調査の分析時に必要です。 回答者の属性がわかれば、自社商品・サービスのターゲット層を比較できます。 回答者とターゲット層の属性が近い場合は特に問題はありません。 しかし、もし両者にズレがあった場合は、回答者の意見をあえて受け入れないことを選択すべきケースもあります。

NPSアンケートの作成手順

具体的なNPSアンケートの作成手順を紹介します。 手順は「NPS調査の目的を明確にする」「NPS調査の種類を確認する」「質問事項を洗い出す」「質問事項を絞り込む」の4ステップです。

ステップ1:NPS調査の目的を明確にする

まずは、NPS調査の目的を明確にします。 NPS調査の目的は大きく2つあります。

ブランド全体に対する推奨度の調査ならびに課題の洗い出しタッチポイント(店舗など企業とユーザーが接点を持つ場)における満足度の調査並びに課題の洗い出し

目的が変われば、NPS調査で尋ねるべき内容も変わります。まずは「なんのためにNPS調査を行うのか」を明確にしましょう。

ステップ2:NPS調査の種類を確認する

続いて、NPS調査の種類を確認します。 NPS調査には「リレーショナル調査」と「トランザクショナル調査」の2種類があり、それぞれ質問事項や調査の頻度が異なります。 目的に合わせてどちらの調査を行うのかを決めましょう。

リレーショナル調査

リレーショナル調査は、ブランド全体の推奨度を確認するために行う調査です。推奨度に加えて、タッチポイントごとの質問をすることでブランド全体が抱える課題を見つけることもできます。 リレーショナル調査は、やや長めの間隔を空けて繰り返し実施してください。実施する間隔は短くても四半期に1回です。できれば年1~2回程度行うといいでしょう。

トランザクショナル調査

トランザクショナル調査は、タッチポイントにおける顧客の満足度を確認する調査です。 トランザクショナル調査を行う場合は、先にリレーショナル調査を行ってください。 リレーショナル調査で推奨度が低いタッチポイントを発見し、そのタッチポイントについてトランザクショナル調査で重点的に調べていき、具体的な改善点を浮き彫りにします。 トランザクショナル調査は比較的短い期間で繰り返し実施する調査で、月次や週次、日次で調査するケースもあります。

ステップ3:質問事項を洗い出す

目的に合わせて、質問事項を洗い出します。 質問事項は数を制限せず、まずは思いつく限りピックアップしていきましょう。 質問事項を洗い出すときはカスタマージャーニーマップを活用します。 商品・サービスの認知から利用、アフターサービスにいたるまでの顧客の行動を洗い出し、どのようなタッチポイントがあるかを考えてください。

ステップ4:質問事項を絞り込む

最後に、洗い出した質問事項を絞り込みます。 質問事項を絞り込む理由は、顧客が回答しやすいようにするためです。 質問事項が多いと回答に時間がかかるため、回答率が下がる可能性があります。 目安としては、アンケートの回答時間が全体で5分以内におさまる程度の多さにしましょう。 業種などによってはもっと短い時間で終わる程度の質問数にとどめたほうがよいケースもあります。

具体的な質問事項の洗い出し方

具体的な質問事項の洗い出し方を説明します。 質問事項の洗い出しは「認知から購入までの過程を書き出す」「それぞれの過程におけるタッチポイントを書き出す」「タッチポイントから質問事項をリストアップする」の3つのステップで行います。

ステップ1:認知から購入までの過程を書き出す

まずは、カスタマージャーニーマップを作成し、認知から購入までの過程を書き出します。 カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品・サービスを知って利用するまでの行動・感情の流れを図式化したものです。 簡単な表にまとめると、以下のようになります。

ステップ2:それぞれの過程におけるタッチポイントを書き出す

続いて、それぞれの過程のタッチポイントを書き出します。 具体的にどうなるかを簡単な図にまとめました。業種は飲食店(レストラン)を仮定しています。

ステップ3:タッチポイントから質問事項をリストアップする

最後に、タッチポイントから質問事項をリストアップしていきます。上記の表からは、たとえば以下のような質問が考えられます

当店をどこでお知りになりましたか?ご予約方法は何をご利用になりました?ご予約方法はわかりやすかったですか?お料理のお味はいかがでしたか?店員の接客はいかがでしたか?

こうして洗い出した質問を整理し、アンケート項目を作っていきます。

NPSアンケートの項目作成のコツ

NPSアンケートの項目を作成するにあたっては、3つのコツがあります。「推奨度は最初に尋ねる」「設問は7問以内」「回答にかかる時間は5分以内」です。このコツについて説明します。

1.推奨度は最初に尋ねる

商品・サービスの推奨度は最初に質問しましょう。 推奨度は最も重要な質問です。しかし、これを最後に尋ねると、顧客の感情にバイアスがかかってしまい、正確な回答を得られない可能性があります。 バイアスがかかることについて具体的に説明します。 顧客は、当初はブランドの推奨度を9と考えていました。しかしアンケートに答えているうちに、接客が少し良くなかった、待ち時間が長かったなどネガティブな印象が強まってしまいました。 その結果、顧客は最後に尋ねられたブランドの推奨度を5にしました。 こうなることを避けるため、推奨度は、購入・利用直後のもっともバイアスがかかっていなときに質問しましょう。

2.質問は7問以内

質問は7問以内に絞りましょう。アンケート用紙を見たときに質問が多いと、顧客は回答を面倒に感じます。 時間もかかりがちなので、回答そのものを断る顧客も多いでしょう。 そうなると、NPSの算出や分析に必要な十分な回答数を得られない可能性があります。 最初に紹介したアンケート例でも、大きな質問は4つです。 小さい質問は8~9程度ありますか、これはどれも0~10までの数字で答える問題なので、それほど顧客には負担にならないと考えられます。

3.回答にかかる時間は5分以内

5分以内で答えられるような内容にしましょう。 質問数同様、答えるのにあまり時間がかかるようだと顧客は途中で面倒に感じはじめます。 その結果、途中から回答がいい加減になったり、フリーコメント欄を未記入のまま出したりする可能性が高くなります。 多忙などを理由に回答自体をやめてしまう可能性もあるでしょう。 最後まで回答してもらえるように、数分程度、長くても5分以内に回答できるようなアンケートを作成してください。

まとめ

NPS調査のアンケート作成方法について説明しました。 NPS調査のアンケートでは、最初にブランドの推奨度を、ついでタッチポイントごとの印象や満足度などを質問します。 まずカスタマージャーニーマップを作ってから考えると、質問事項が洗い出しやすいのでおすすめです。 質問は全部で7問以内、5分以内に回答できるようなボリュームにしておくと、顧客も答えやすくアンケートの回収率もよくなります。 効果が出るアンケート!質問設計からExcel集計まで完全ガイド

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