そんなときにおすすめの調査が、NPS(ネットプロモータースコア)です。 NPSとは、ユーザーに「この製品・サービスを知り合いにすすめたいと思いますか?」と質問し、0から10の11段階で答えてもらう調査です。 結果のスコアが収益との関連性が高いことから、多くの企業が活用しています。 今回は、NPSを行う方法や分析・活用方法をまとめました。 【E-book】アフターコロナのマーケティング戦略ガイド

NPS調査の事前準備

NPS調査の実施する際の事前準備として、以下3項目を設定しましょう。

NPS調査の事前準備どの調査を行うか決める実施方法を決めるアンケート項目を作るNPS調査の方法1.顧客にアンケートを依頼する2.アンケートを回収するアンケートの回答をまとめるNPS調査の分析方法NPSの算出方法フリーコメント欄の分析方法NPS調査結果の活用方法NPSスコアが低かった項目を改善するネガティブなフリーコメントを改善の参考にする定期的に調査を繰り返し変化を確認するNPS調査を成功させる3つのコツ全社で意義を共有するサンプル数はできるかぎり多く確保する継続的に調査し、推移を見るNPS調査をする上での注意点アンケートは5分以内で回答できる内容にするスコアはマイナスに出やすいことに留意する「批判者」ばかりを意識しないまとめアンケート作成・公開・集計までワンストップ!誰でも簡単に使える『CREATIVE SURVEY』(PR)

どの調査を行うか決める実施方法を決めるアンケート項目を作る

どの調査を行うか決める

NPS調査は大きく「リレーショナル調査」と「トランザクショナル調査」の2つの方法があります。

リレーショナル調査:ブランド全体の推奨度を確認するための調査トランザクショナル調査:はタッチポイントごとの顧客満足度を測るための調査

リレーショナル調査でタッチポイントごとの推奨度を確認し、トランザクショナル調査で推奨度が低いタッチポイントの顧客満足度を調査します。 そのため、リレーショナル調査実施後にトランザクショナル調査を行うのが一般的です。

実施方法を決める

実施方法は店舗で実施する方法とオンラインで実施する方法の2つがあります。 店舗で実施する場合は、顧客の会計待ちや会計後に声をかけてアンケート回答を依頼します。 オンラインで行う場合は、以下の2つの方法あります。

ECショップで顧客が商品・サービスを購入後にアンケート画面を表示させ、回答を依頼する顧客情報に登録されているメールアドレスあてにアンケートを送り、回答を依頼する

アンケート項目を作る

最後に、アンケート項目を作ります。 NPS調査のアンケートでは、以下の4つの質問は必須です。

「この商品・サービスを誰かにおすすめしたいか」という推奨度(0~10の11段階で回答)その推奨度をつけた理由(フリーコメント)ロイヤリティ構成要素(顧客が評価しているポイント)属性・セグメント・行動

NPS調査の方法

NPS調査の方法について説明します。NPS調査は、以下の3ステップで行います。 以下、それぞれのステップについて説明します。

1.顧客にアンケートを依頼する

顧客を対象にアンケートの回答を依頼します。 店頭でアンケートを行う場合は、アンケート依頼の声掛けのタイミングや言葉などのマニュアルを整えておきましょう。

2.アンケートを回収する

実施したアンケートを回収します。 NPS調査は回答数が少ないと十分な精度の調査ができません。できるだけ多くのアンケートを回収するようにしてください。

アンケートの回答をまとめる

アンケートの回答をまとめます。 まとめるべき項目主な項目は以下のとおりです。

推奨度コメント分かる範囲の回答者の属性

NPS調査の分析方法

NPS調査の分析方法について紹介します。NPS調査で分析すべき点は、スコアの算出とフリーコメントの分析です。

NPSの算出方法

NPSの算出方法は以下のとおりです。 具体的な数字を挙げて説明します。

フリーコメント欄の分析方法

続いて、フリーコメント欄を分析します。 分析は以下の3ステップで進めます。

フリーコメント欄の記述を洗い出すコメントをネガティブ・ポジティブに分ける顧客の属性・推奨度ごとにまとめ、傾向をみる

1.フリーコメント欄の記述を洗い出す

フリーコメント欄の記述を洗い出します。 アンケートのまとめ方で示した表のように、顧客の属性や推奨度と一緒にまとめてください。

2.コメントをポジティブ・ネガティブに分ける

コメントをポジティブ・ネガティブに分類します。以下の表のようにまとめるとよいでしょう。

3.顧客の属性・推奨度ごとにまとめ、傾向をみる

コメントを顧客の属性・推奨度ごとにまとめて傾向をみていきます。 先の表でみると、ポジティブなコメントをつけている顧客の属性・推奨度は以下のとおりです。

利用回数1回、女性、推奨度7利用回数10回以上、男性、推奨度9利用回数5回、男性、推奨度8利用回数6回、女性、推奨度8

一方、ネガティブなコメントをつけている顧客の属性・推奨度は以下のとおりです。

利用回数3回、女性、推奨度5利用回数2回、男性、推奨度5

この2つを比較すると、利用回数がある程度多い顧客は推奨度も高くポジティブなコメントをつける傾向があり、利用回数が少ない顧客は推奨度が低くネガティブなコメントをつける傾向があります。また、具体的なネガティブコメントの内容を見ると、品揃えや入荷日程について不満を抱えていることもわかります。 顧客の不満や改善点を見つけるには、このようなフリーコメント欄の分析は欠かせません。

NPS調査結果の活用方法

NPS調査結果の活用方法について紹介します。NPS調査の代表的な活用方法は以下の3つです。

NPSスコアが低かった項目を改善するネガティブなフリーコメントを改善の参考にする定期的に調査を繰り返し推移を確認

それぞれの方法について説明します。

NPSスコアが低かった項目を改善する

1つめは、NPSスコアが低かった項目の改善です。 NPS調査では、全体の推奨度のほかにタッチポイントや具体的な評価ポイントについても0~10の11段階で評価してもらいます。この数字を集計して、特に低かったポイントについて重点的に改善していきましょう。

ネガティブなフリーコメントを改善の参考にする

2つめは、ネガティブなフリーコメントを改善の参考にする方法です。 ネガティブなフリーコメントは、顧客が何に対して不満を抱えているか具体的に教えてくれています。そのコメントを参考に、顧客の不満を具体的に解消する方法を考えてください。

定期的に調査を繰り返し変化を確認する

NPS調査は定期的に繰り返し、その変化を確認してください。 スコアとフリーコメント両方の変化を確認することで、改善点が本当に改善されているかを確認し、PDCAサイクルを回すことができます。また、定期的に調査することで新たな課題や改善点が出てきていないかも調べることができます。

NPS調査を成功させる3つのコツ

NPS調査を成功させるには、以下の3つのコツがあります。

全社で意義を共有するサンプル数はできるかぎり多く確保する継続的に調査し、推移を見る

それぞれについて説明します。

全社で意義を共有する

まずは、NPS調査の意義を全社で共有します。 経営層には、NPSとはなにか、どのようなことがわかりどう役立つかについて理解してもらいます。分析の結果導き出された改善案に対して、全社で取り組む体制の構築も依頼しましょう。 現場の接客担当者にも、NPSの意義について理解してもらいましょう。また、現場でスムーズに調査ができるよう、顧客にアンケートを依頼するタイミングや声掛けの方法、アンケート回収時の注意などのマニュアルを整備してください。 実際にアンケートを行う担当者、その結果受けて改善に関する体制をつくる経営層、この双方が意義を理解し協力することで、NPS調査より高い効果をあげられます。

サンプル数はできるかぎり多く確保する

サンプル数はできるかぎり多く確保しましょう。 「できるかぎり多く」の具体的な数は、理想的には全数調査、つまり顧客全員に聞くことです。とはいえそれが難しいケースもあるでしょう。 一般的にはサンプル数は400あれば、結果の誤差はプラスマイナス5%の範囲内でおさまるといわれています。誤差を少なくするためには、できれば400は集めるのが望ましいでしょう。 サンプル数が400確保できそうな場合は400以上を、それほど顧客が多くない場合は1人でも多くの顧客にアンケートを答えてもらえるように努力してください。

継続的に調査し、推移を見る

NPS調査は継続的に行い、その推移を見ましょう。 NPS調査を行うと、商品やサービスの課題を見つけることができます。課題をきちんと解決できたかどうかを確認するためには、継続的な調査を行い、数値やコメントの変化を確認することが必須です。 リレーショナル調査なら最低でも1年に1回以上、トランザクショナル調査なら1週間もしくは1ヶ月に1回以上程度の頻度で継続してください。

NPS調査をする上での注意点

NPS調査をする上では、以下の3つの注意点があります。

アンケートは5分以内で回答できる内容にするスコアはマイナスに出やすいことに留意する「批判者」ばかりを意識しない

アンケートは5分以内で回答できる内容にする

アンケートの内容は5分以内で回答できる内容にしてください。 ボリュームがあって回答に時間がかかるアンケートは、顧客に負担をかけます。回答が面倒、回答する時間がないなどの理由からアンケートを断る顧客も増えるでしょう。 アンケートの回答率、回収率を上げるためにも、質問内容は少なめすることが必要です。そのためにも、内容は5分以内で回答できるものにしてください。

スコアはマイナスに出やすいことに留意する

NPSスコアはマイナスの数値が出やすいことに注意してください。 自社のスコアがマイナスになっても慌てる必要はありません。大切なことは、自社のスコアが業界全体のどのあたりのポジションなのか、自社の過去のスコアと比べてどの程度改善されているかです。

「批判者」ばかりを意識しない

「批判者」ばかりを意識しないようにしてください。 批判者のカテゴリに含まれる顧客の中には、そもそも自社のターゲット層からずれているケースがあります。 高品質の商品・サービスを相応の価格で提供したい企業のNPS調査で、顧客の価格面に対する不満が見つかったとしましょう。ここで考えるべきは、あくまで商品・サービスと価格の釣り合いです。品質を維持して価格を下げてほしいというような要望が出た場合は、そもそもそういう顧客はターゲットではないとみなすことが必要です。 批判者の分析をするときはその属性も確認してください。もしそれがターゲット層とずれているようであれば、その不満の改善については考えないという選択もありです。

まとめ

NPS調査は、企業のブランドやサービスのおすすめ度をはかるアンケート調査です。 この調査により、顧客が何に対して満足しているか、不満に思っているかなどの具体的な課題点・改善点を洗い出すことができます。 定期的に調査を行い、課題の洗い出しやサービス改善に役立てていきましょう。 NPS調査を行うときは全社一丸となって意義を理解し、取り組むことが大切です。必要以上に批判者に振り回されず、スコアの数字改善に努めてください。 【E-book】アフターコロナのマーケティング戦略ガイド

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