BigQueryとは、Googleが提供するビッグデータ解析ツールです。 データの活用が重要視されている近年、ビッグデータの分析をすることで、業務効率化やビジネスの拡大を加速させている企業が増えてきています。 本記事では、BigQueryで具体的にできること、導入のメリットやコスト、活用事例などをご紹介します。 この記事を読めば、BigQueryを導入することで、どのようにビジネスに役立つのかが理解できるようになります。 BigQueryと連携しBIツールに出力可能!広告レポート作成自動化ツール『ATOM』

BigQueryとは

BigQueryは、Google Cloudの提供するクラウド型のデータウェアハウスです。 データウェアハウスとは、直訳すると「データの倉庫」であり、様々な社内データが保管されているシステムのことです。

BigQueryとはBigQueryでできることビックデータの分析リアルタイムの分析他分析サービスへの連携広告配信データの分析BigQueryの特徴およびメリット専門知識がいらない分析したい形でデータを分析できるコストパフォーマンスが良いデータ分析の速度が高速各種Googleのサービスと連携ができるBigQueryをビジネスに活用した成功事例物件の場所や営業ルートの確認に活用し、2日ほど要していた処理を1分以内に短縮した事例|株式会社オープンハウス200万UUのWebサイトの訪問ユーザーデータを解析。ニーズごとの最適な広告配信によって、CVRの改善に成功した事例|株式会社LIXIL約30億件の購買データの分析に活用し、業務効率は従来の10倍、コストは7割に改善した事例|株式会社True DataBigQueryと他のデータ分析サービスとの違いBIツールとの違いSQLとの違いBigQuery利用にかかる費用BigQueryの活用ステップステップ1 Google Cloud Platformの登録ステップ2 BigQueryのアカウントを作成するステップ3 プロジェクトの作成ステップ4 データセットの作成ステップ5 テーブルの作成まとめ

BigQueryでは、保管されたビッグデータの解析を高速で行うことができます。 導入コストも安く、環境構築も必要としないサービスであることから、現在多くの企業に導入されています。

BigQueryでできること

ビックデータの分析

BigQueryを利用することで、速く・簡単にビッグデータの分析を行うことが可能となります。 例えば、BigQueryを利用することで、膨大な顧客データを分析し、どの集客方法が売上に繋がっているかが分かります。大量の店舗データを分析して、売れている店舗の特徴や傾向を見ることもできます。 導入コストも低く、様々なデータ分析に対応できます。自社で保有するデータを上手く活用し、ビジネスの成長に繋げていきたい企業が、継続的にデータ分析するのに適したサービスだといえます。

リアルタイムの分析

大量データの高速処理が可能なBigQueryでは、絶えず流動的に発生するデータをリアルタイムに分析することが可能です。 発生するデータ量が爆発的に増加している現代において、鮮度の高いデータをリアルタイムに分析することは、意思決定のスピードと正確性を高めるためにも重要です。 例えば、ニュース速報などのリアルタイムのトレンドを素早く分析し、広告のクリエイティブに反映させることなどが可能となります。

他分析サービスへの連携

Google Cloud Platformの他の機能との連携が容易に出来るのもBigQueryのメリットの1つです。 例えば、BigQuery MLという機能を利用することで、基礎的なSQLの知識さえあれば機械学習を利用することが可能です。BigQueryからデータを移動させる必要もないので、手間も最小限に抑えられます。 Googleデータポータルや2019年にGoogleが買収したLookerといったBIツールとの連携も容易に行うことが可能です。これらのBIツールとの連携にて行われたデータの可視化により、課題を抽出・改善し、業績の向上に役立てられます。 参考:データポータルを使用して BigQuery データを可視化する    Looker の使用 また、Google以外の大手BIツールとの連携も可能となっております。 例えば、CRM最大手のセールスフォースと連携で営業部門の効率化に役立てたり、データ可視化に特化したTableauとの連携で、分析データの活用がより直感的に行えるようになるでしょう。 参考:Google BigQuery 標準 SQL 接続 – Salesforce Help    Google BigQuery – Tableau Help

BigQueryの特徴およびメリット

専門知識がいらない

BigQueryは、データベースの高度な知識のない非エンジニアであっても、比較的扱いやすいという特徴があります。 しかし、広告配信データを各媒体からダウンロード、BigQuery用に加工し、BigQueryへ出力するという作業を頻繁に行うのは手間がかかります。 RPAやAPIを活用し自動化することも可能ですが、媒体のAPIのバージョンアップへの対応や、不具合の修正など保守が欠かせないので自動化しても手放しに運用することができません。 その場合には、広告会社支援SaaSなどを活用すると、BigQueryを活用した広告配信データの分析がより手軽に実施可能となります。 例えば、広告会社支援SaaSシェアNo.1※の『ATOM』が、その代表的な例です。参考にしてみてください。 【広告会社導入シェアNo.1※】広告レポート自動化ツール『ATOM』 ※2021年8月時点。SO Technologies株式会社 / 株式会社デジタルインファクト調べ たとえば、従来のデータベースでは必須であるクエリのスピードを改善するための作業を必要としません。また、データの処理や保管はクラウド上で行われるため、サーバーサイドの知識も不要です。 簡単なSQLの知識さえあれば、直感的な管理画面で簡単に操作を行うことができます。

分析したい形でデータを分析できる

前述の通り、BigQueryは簡単なSQLの知識さえあれば、好きなようにデータを検索、挿入、作成や削除が行えます。 大量のデータを高速に扱えるため、他のデータベースでは参照範囲を狭める必要があった分析も、全範囲で行うことができるため分析の幅も広がることでしょう。

コストパフォーマンスが良い

他のデータウェアハウスに比べ、安価で導入が可能であることも大きなメリットです。 基本的には、利用した分だけ課金される従量課金制なので、時期によって利用する頻度が極端に少なくなるような場合など、利用量に応じてにコストの調整がしやすいメリットがあります。 また、データの処理を実行する前に、データ量が分かるようになっているため、費用の目安が分かるので安心して利用できます。

データ分析の速度が高速

そして、BigQueryの特徴は、何と言ってもデータ分析のスピードの速さです。 一般的なデータ分析ツールではTB(テラバイト)やPB(ペタバイト)といった膨大な量のデータの分析は時間がかかりますが、BigQueryを利用すれば数秒から数分ほどで処理が完了してしまいます。 この高速のデータ処理は「カラム型データストア」と「ツリーアーキテクチャ」という2つのテクノロジーによって、クエリを並列処理することで実現しています。

各種Googleのサービスと連携ができる

Googleの他のサービスとの連携が容易であることも、Google Cloudが提供するBigQueryならではの特徴です。 例えば、Googleスプレッドシートと連携することで、これまでスプレッドシートで管理していたデータをそのままテーブルとして利用することが可能です。 また、Googleの提供するアクセス解析ツールであるGA4との連携も可能なため、より高度なアクセス解析も実現できます。 下記サービスがBigQueryと連携可能な主要なGoogleのサービスです。

GoogleスプレッドシートGoogleアナリティクスGoogleデータポータルGoogle広告YouTubeスタジオ

BigQueryをビジネスに活用した成功事例

次に、BigQueryを導入したことで業務の効率化やコストダウン、広告の改善を実現した企業の紹介です。 貴社にBigQueryを導入することで、具体的にもたらすメリットの参考になるでしょう。

物件の場所や営業ルートの確認に活用し、2日ほど要していた処理を1分以内に短縮した事例|株式会社オープンハウス

総合不動産業を全国展開するオープンハウスは、BigQueryを情報基盤として業務効率化を計ったことで、大幅な工数削減に成功しています。 同社では、BigQueryを活用して、トランザクションデータや広告、Web履歴、地理情報などのデータを格納したデータウェアハウスを構築しました。データ基盤を統一したことにより、どの集客方法が契約に繋がっているのかを評価出来るようになったそうです。 また、物件の場所や営業ルートの確認に利用しているGIS(地理情報システム)をオープンソースのRDBMSのGIS機能からBigQuery GISに変更したところ、これまで2日程度かかっていた処理が1分もかからずに行えるようになりました。 参考:株式会社オープンハウス:業務改善による年間約 4 万 2,000 時間の工数削減に AI Platform 、BigQuery を活用|Google Cloud Platform Japan 公式ブログ

200万UUのWebサイトの訪問ユーザーデータを解析。ニーズごとの最適な広告配信によって、CVRの改善に成功した事例|株式会社LIXIL

建築材料・住宅設備機器業界最大手のLIXILは、BigQueryを活用したプライベートDMPの構築、導入進めたことで、Web広告のCVRの向上につながりました。 LIXILのWebサイトは、月間のアクセスが約200万UUある巨大なサイトであり、ユーザーによって「商品の機能が知りたい」「見積もりが欲しい」など様々な異なるニーズがありました。 そこで、BigQueryとアナリティクス360、そして外部のレコメンドエンジンを連携したところ、ユーザーのニーズに合わせた最適な広告配信が実現可能となり、CVRや集客効率の改善に繋がったとのことです。 また、従量課金制であることから、導入の初期コストが低いだけでなく、データポータルとの連携によって入社半年ほどの新卒社員も使いこなせるほど直感的に操作できることも評価しています。 参考:株式会社LIXIL の導入事例:BigQuery を中心に構築したプライベート DMP でリアル来客も含めたお客さまの行動を分析・活用|Google Cloud Platform Japan 公式ブログ

約30億件の購買データの分析に活用し、業務効率は従来の10倍、コストは7割に改善した事例|株式会社True Data

ビッグデータを利用して企業のマーケティングコンサルティングを提供する株式会社True Dataは、BigQueryの導入によって、業務速度と効率面で10倍になり、コスト面では7割改善したといいます。 同社では、約5,000万人分の20-30億件にものぼる購買データを扱っていましたが、年々増加する膨大なデータ量を考慮し、これまでのオンプレミスの社内システムからクラウド型のBigQueryへの移行を決意しました。 すると、データの処理速度は体感で10倍以上になり、分析の際に思考を止めることなく作業が可能になったそうです。 また、1度に多くのデータを処理できるようになったため、作業効率も10倍になったといいます。課題であるコスト面でも従来のシステムの7割に抑えられ、恩恵を受けているとのことです。 参考:株式会社True Data の導入事例: BigQuery の導入で業務効率を 10×10×10=1000 倍に?|Google Cloud Platform Japan 公式ブログ

BigQueryと他のデータ分析サービスとの違い

​​データ分析と聞くと、BIツールやSQLという用語が連想される方も少なくないでしょう。 BIツールやSQLとBigQueryはどのような役割や意味の違いがあるのでしょうか。

BIツールとの違い

BIとはビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)の略で、企業が持つデータを収集・蓄積・分析・加工・可視化し、経営の意思判断に役立てる手法のことです。 BigQueryは、データの蓄積や分析が得意なBIツールの一種ともいえます。 しかし、データの可視化(ビジュアライズ)が得意ではないため、Googleデータポータルなど可視化に特化したBIツールとうまく組み合わせることで、ビジネスにおける意思決定の速度や精度を高めることに繋がるでしょう。

SQLとの違い

前述した通り、BigQueryはデータを蓄積するためのデータウェアハウス呼ばれるものです。 一方で、SQLはデータを操作するためのデータベース言語です。SQLを使用することで、データの検索や作成、削除が可能となります。 BigQueryではSQLを使用することが可能ですので、BigQueryはデータの蓄積だけでなく、データの操作も行うことができます。

BigQuery利用にかかる費用

BigQueryの大きな特徴である費用について詳しく解説していきます。 BigQueryの料金体系は従量課金制となっており、保存データ量に応じて発生するストレージ料金とクエリの処理に対して発生する分析料金に分かれます。 ストレージの料金に関しては、アクティブストレージと長期保存(90日以上変更されていないデータ)に分かれています。 詳細の費用は下記の表を参考にしてください。 また、次の操作に関しては無料で実行することができます。 引用:料金 | BigQuery: クラウド データ ウェアハウス |Google Cloud BigQueryはかなりリーズナブルな料金設定となっております。たとえば、5TBのストレージ料金と100TBのクエリ料金が発生した場合を想定しましょう。 上記の表に従って計算すると、ストレージ料金が$115(約11,650円)、クエリ料金$600(約6,600円)となり、合計$715(約18,250円)と非常に安価に利用できます。 とはいえ、従量課金型だからこそ「予想以上に金額がかかりすぎてしまうのではないか」と不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。 そんな方は、こちらの料金計算ツールでシミュレーションを行うことが可能ですので、安心してご利用ください。

BigQueryの活用ステップ

では、最後にBigQueryを始めるまでのステップを解説します。BigQueryはプロジェクト→データセット→テーブルというアカウント構造になっているため、プロジェクトから順に作成していきます。

ステップ1 Google Cloud Platformの登録

こちらのページにアクセスします。下記の画面に遷移するので、続行をクリックします。

クレジットカードの設定が必要となりますが、有料プランへの自動更新はなされないため安心して進んでください。そのままページを進み「無料トライアルの開始」をクリックします。

ステップ2 BigQueryのアカウントを作成する

GoogleCloudPlatformの登録が完了すると次のような画面に移ります。左メニューの「BigQuery」をクリックします。

これでBigQueryのアカウント作成は完了です。次はプロジェクトの作成です。

ステップ3 プロジェクトの作成

先ほど作成したBigQueryの上部「MyProject」をクリックします。

すると次のようなポップアップが出現するので「新しいプロジェクト」をクリックします。

このような画面に遷移するので、プロジェクト名とプロジェクトIDを入力して「作成」をクリックします。

これでプロジェクトの作成は完了です。次はデータセットの作成です。

ステップ4 データセットの作成

画面赤枠の3点ボタンをクリックします。

すると次のようなポップが出るので「データセットを作成」をクリックします。

任意のデータセット名、データのロケーションはデフォルト、暗号化はGoogleが管理する暗号鍵に設定し「データセットを作成」をクリックします。

これでデータセットの作成が完了しました。最後はテーブルの作成です。

ステップ5 テーブルの作成

先ほど作成したデータセット名の隣の3点ボタンをクリックします。

すると次のような画面に遷移するため、赤枠の「+」ボタンをクリックします。

インポートしたいデータのソースを選んで「テーブルの作成」をクリックすれば完了です。

手順は多いものの、特に難しい作業も必要なく、想像以上に簡単にBigQueryの利用ができます。 はじめはサンプルデータなど、簡単な分析から始めていき、徐々にデータ量の多い分析にチャレンジしていきましょう。

まとめ

BigQueryは安価かつ簡単に、高速でビッグデータの分析が行えるツールです。Googleのサービスのため、スプレッドシートやデータポータル、GA4などとの連携も容易で、拡張性の高いサービスとなっています。 今後、ますます自社に貯まったデータの活用が重要となることが予想されるでしょう。 ビッグデータの活用による業務効率化やコストダウンのための施策として、BigQueryの導入を是非検討してみてください。 BigQueryと連携しBIツールに出力可能!広告レポート作成自動化ツール『ATOM』

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