ランディングページは、商品の売上にダイレクトに影響するものです。それだけに、安く済まそうとし過ぎずに、じっくりと時間をかけて、高い成果をあげられるものにする必要があります。 本記事では、ネット広告の中でも多くの予算が投下されているリスティング広告を例に、ランディングページの制作から改善までの全手順をご紹介します。 この記事を読めば、ランディングページ制作を自社で内製する場合にも、外部業者に発注する場合にも、効果を上げるために押さえておくことがわかります。 ※本記事は無料Ebook「リスティング広告スタートアップガイド」より、一部抜粋し再構成した記事です。

「穴の空いたバケツ」に水を流しても、広告費が無駄になるだけ

誘導先のページを適切に改善せずに、リスティング広告をとりあえず開始してしまうのは、「穴の空いたバケツに水を流す」ことと同じです。広告費を垂れ流すだけで、ビジネス上の成果には、ほとんどつながりません。

「穴の空いたバケツ」に水を流しても、広告費が無駄になるだけリスティング広告「専用」のランディングページ制作が必要な理由【理由1】流入文脈に応じた最適なコミュニケーションを成立させるため【理由2】顧客を迷わせず対話を「なるべく」思い描いた順番で実現するため【理由3】制作・改善のハードルを下げて、継続的に改善を繰り返すため(参考)ランディングページ制作を外注する場合の費用相場についてモノとしての費用の絶対額ではなく、改善に対する投資対効果で判断する1枚モノのランディングページの基本テンプレート勝負はファーストビューの3秒で決まるファーストビューでユーザを惹きつけるための3つのポイント読まないと理解できない文章ではなく、ぱっと見て理解できる「UI」を設計スペックや機能ではなく価値(ベネフィットを訴求する)アクション導線周りを緻密に作りこむファーストビュー以降も「顧客視点」での情報を盛り込む基本形ができたら、A/Bテストでブラッシュアップ王道の訴求が固まったら、流入キーワード別の出し分けにも挑戦(参考)CVRに直結する入力フォーム最適化(EFO)とは?項目を絞り、物理的・精神的な負荷を軽減する手軽に導入できるASP型のEFOツールもまとめ:ランディングページなしでリスティングの成果は出ない(参考)あわせて読みたいLISKULの記事

リスティング広告で成果をだすためには、誘導先の「ランディングページ」を制作・改善することが必須です。当社のクライアントでも、事前に設定されている誘導先があまり良くない場合、ランディングページを制作することで、コンバージョンレート(申込率)が3~5倍程度改善することも珍しくありません。 仮コンバージョンレートが5倍になるということは、単純に言えば「同じ広告費で5倍売れる」もしくは「同じ売上を上げるのに1/5の広告費で済む」ということです。

リスティング広告「専用」のランディングページ制作が必要な理由

ランディングページは本当に必要なのか?公式サイトに誘導すれば十分ではないか?という疑問の声を頂きますが、当社では必ずリスティング広告「専用」のランディングページ制作を推奨しています。理由は大きく3つあります。

【理由1】流入文脈に応じた最適なコミュニケーションを成立させるため

リスティング広告の最大の特徴である、検索キーワードを指定して広告を表示するというメリットを最大に活かすには、検索キーワードに応じたページを準備すべきです。 「雑炊 ダイエット」と検索して流入する人と、「ダイエット 方法」と検索して流入してくる人では、購入していただく上で必要な説明が全く異なることは明らかです。流入文脈に応じて、コミュニケーションを変える必要があれば、ページを分けて、それぞれのキーワードの流入時のニーズや心理に特化したページが必要です。

【理由2】顧客を迷わせず対話を「なるべく」思い描いた順番で実現するため

ランディングページは一般的に、ページ外へのリンクを極力少なくし、縦長の1枚のページでコミュニケーションを完結させます。そうすることで、上から順番に読んでもらいやすくなり、思い描いた対話が実現しやすくなります。もちろん、スクロールされてしまうことも多く、必ずしも順番に見てもらえるわけではありません。それでも、一般的なサイトのように見たいページをリンクから自由に選ぶよりは、見て欲しい情報をみてもらいやすくなります。

【理由3】制作・改善のハードルを下げて、継続的に改善を繰り返すため

ランディングページ制作を推奨する最も重要な理由は、改善がしやすいことにあります。流入文脈別にサイトを個別に作っていたら、膨大な費用と手間が必要です。だからと言って、様々な流入文脈に1つのサイトで対応しようとすると、難易度が非常に高くなり、これも時間と手間がかかります。 たしかに状況によっては、1枚モノのランディングページよりも、構造体であるサイトに誘導した方が効果が良いケースもあります。しかし、流入文脈に応じて複数準備し、かつそれぞれを継続改善する前提であれば、費用と手間の両面から、1枚モノのランディングページを制作した方が圧倒的に費用対効果が高いと言えます。(参考:ランディングページ作成ツールの一覧 ≫)

(参考)ランディングページ制作を外注する場合の費用相場について

ランディングページは自社で制作機能を持っていない場合には外注となります。その場合の費用感について補足しておきます。単純にランディングページ制作の費用と言っても、一概には言えません。ランディングページ制作・改善のプロセスは大きく5つに分けられます。 1.戦略策定:誰をターゲットにどのキーワードに対してどんなページを作るか? 2.構成案作成:大枠のレイアウトや配置について整理する 3.デザイン:Photoshopなどでビジュアルデザインを作成する 4.コーディング:HTMLやCSSでブラウザに表示できるように作成する 5.ABテスト・改善:運用結果を見て成果が上がるように改善する。 一般的には、2~4のプロセスをまとめて実施して20万円~30万円というのが相場です。2のプロセスを大幅にカットして、デザインも既存テンプレートを流用する形だと、10万円前後が相場です。 ただし、リスティング広告で実際に成果につなげようとすると、1~5を一気通貫で実施する必要があります。その場合、40万円~90万円程度が相場です。 参考:ランディングページ制作会社の一覧 ≫

モノとしての費用の絶対額ではなく、改善に対する投資対効果で判断する

ランディングページ制作を外注する場合の費用は制作費用の大小よりも投資対効果で判断すべきです。 例えば、リスティング広告予算が50万円で平均クリック単価100円の場合、 A:CVRが1%のLP(15万円):獲得件数:50件 獲得単価:13,000円 B:CVRが3%のLP(60万円):獲得件数:150件 獲得単価:7,333円 このように、ランディングページの外注費用を加味しても獲得単価は安くなるため、制作費用は簡単に元が取れてしまいます。さらに翌月以降は差が開いていきます。 金額の絶対的な大小よりも、どれだけ改善に寄与するかの投資対効果でランディングページを捉えないと大きな損失になってしまいますので、注意が必要です。 参考:ランディングページ制作会社の一覧 ≫

1枚モノのランディングページの基本テンプレート

ランディングページを社内で制作する場合でも外注する場合でも、成果を上げるための重要なポイントは、戦略策定および構成案の作成にあります。 これまでのプロセスで得てきた顧客視点による、キーワードで検索した時の心理に基づく、訴求点や障害物、不安や疑問の解消(戦略)を上手く構成案に反映していくことが重要になります。社内で制作する場合でも外注する場合でも、以下の基本テンプレートを参考に顧客視点を盛り込んだ構成案になるように、しっかり確認してください。

参考:ランディングページ作成ツールの一覧 ≫

勝負はファーストビューの3秒で決まる

ランディングページにおいて最も重要なのは「ファーストビュー」です。ファーストビューとは、検索結果画面をクリックして、モニタ上に最初に表示される部分です。 ユーザはファーストビューを見て、約3秒程度でそのページを見るべきかどうか判断しています。スクロールしないと見えないページの下の方にどんなに良いことが書いてあっても、ファーストビューを見て離脱されてしまえば離脱されてしまうのです。 では、具体的なファーストビューの範囲はどのくらいなのでしょうか?PCの場合には一般的に普及しているモニタサイズの1024×768に対応させようとすると縦550pxの範囲、1280×1024に対応させようとすると縦850pxの範囲となります。モニタサイズが大型化しているとはいえ、ノートPCなどの比率も高いため、80%のユーザをカバーしようとすると、縦550pxの範囲をファーストビューと認識しておくべきです。

ファーストビューでユーザを惹きつけるための3つのポイント

これまで説明してきた通り、ファーストビューの目的は大きく2つあります。 ・「見るモード」で入ってきたユーザを「読むモード」に転換すること ・申し込む意欲の高いユーザをそのまま申し込みに誘導すること その目的を実現するためのファーストビューのポイントを説明します。

読まないと理解できない文章ではなく、ぱっと見て理解できる「UI」を設計

ファーストビューは「読まずに見てわかる」ことが最も重要です。 なぜなら、検索結果から流入したユーザは、ページを「読もう」として流入してくるのではなく、読むべきページなのか判断しようと「見に」来ているケースが大半だからです。文字中心の説明ではなく、見てわかるUIを設計すべきです。

まず担保すべきは「一致」です。ユーザが求めている内容がこのページにありそうだ、ということが直感的にわかるようなメインビジュアル・キャッチコピーが必要です。 また、「数字」や「メダルなどのモチーフ」などによる権威付け、エビデンスの提示により、このページの情報が信頼に足る内容だ、という印象を与えます。

スペックや機能ではなく価値(ベネフィットを訴求する)

次のポイントは、ユーザの関心事に応える「価値」を提示することです。やってしまいがちなのは、自社の言いたい「スペック・機能」を提示してしまうことです。 例えば「フリーズドライ製法を使用しています」というのは商品のスペックであり、ユーザにとっての価値ではありません。ユーザにとっての価値は「炊きたてのご飯で作ったかのようにふっくらして美味しい」ということになります。 こうすることで「美味しいの?」というユーザの関心事と「対話」が成立し、スムーズにコミュニケーションが進んでいきます。

アクション導線周りを緻密に作りこむ

申し込む意欲の高いユーザをそのまま申し込みに誘導する、という観点では、アクション導線の作り込みが重要になります。下記の例のようにアクション導線の文言を変更しただけでCVRが改善する例は数多くあります。特に考えもせず「資料請求」や「カートに入れる」という文言にしてしまうのは大きな機会損失となります。

ファーストビュー以降も「顧客視点」での情報を盛り込む

今回は勝負所である「ファーストビュー」を中心にポイントを説明していますが、ファーストビュー以降のコンテンツも先程紹介したのテンプレートに沿って制作します。 その際、役に立つのは、顧客視点での競合調査とUSPです。顧客の関心事や訴求点を盛り込み、障害物は取り除き、不安や疑問を完全に解消することを意識してページを作っていくことで、成果の出るランディングページが制作できます。 ※顧客視点での競合調査とUSPについては以下の記事で解説しています。あわせてご確認ください。 ◇顧客理解でWebマーケティングの成果を上げる!たった1つの「コツ」とは? http://liskul.com/ls_customer-8110

基本形ができたら、A/Bテストでブラッシュアップ

ここまでランディングページの作成方法について説明してきました。リスティング広告開始前の段階ではこれで十分ですが、リスティング広告開始後、「初動を見ながら設定変更」のフェーズでは、ランディングページ、特にファーストビュー部分の複数案をA/Bテストをして最適な訴求を検証していきます。 この段階で把握しておくべきこととしては、後日A/Bテストを実施するための準備をしておくことです。具体的には以下の2点です。 1.ファーストビューの「キャッチコピー」や「メインビジュアル」「アクション導線」は後日A/Bテストで検証することを想定し、修正・差し替えがしやすいように画像化しておき、できれば複数案作成しておくこと 2.「Optimizely」や「Googleアナリティクス ウェブテスト」などのA/Bテストを実施できるように導入やタグの設置をしておくこと 制作会社にランディングページの外注をする場合には、その旨伝えておけば対応してくれる場合がほとんどです。(別途費用を請求する制作会社もあります。)

王道の訴求が固まったら、流入キーワード別の出し分けにも挑戦

また、A/Bテストと併せて、流入キーワード別の出し分けにも挑戦していきます。具体的には「ダイエット」を含むキーワードで流入してきた場合には、ランディングページのキャッチコピーを「短期で痩せる」という訴求に「雑炊」を含むキーワードで流入してきた場合には「味の種類が豊富で美味しい」という訴求に出し分けることで、1つのランディングページで複数キーワードでの流入に対応することができます。LPOツールを使うことで、これらの出し分けも実現できます。

(参考)CVRに直結する入力フォーム最適化(EFO)とは?

リスティング広告を開始する前に、ランディングページとあわせて改善しておきたいのは、個人情報などを登録する入力フォームです。せっかく申し込む意欲が高い状態でフォームに誘導できても、フォームが入力しづらいことで離脱されてしまうとCVRは低下します。「フォームを改善しただけでもCVRが1.6倍になった」という事例も多く、フォームを強化するだけで効果が大きく改善します。

項目を絞り、物理的・精神的な負荷を軽減する

フォーム改善のポイントは、パッと見た時に「簡単そう」と思ってもらうことです。具体的には、以下のポイントを押さえると良いでしょう。詳しくは参考のLISKULの記事を御覧ください。 •入力項目を極力少なくする。任意項目は潔く削る •説明や注意事項などを圧縮したり、 右カラムに逃すことで極力ファーストビューに収まるようにする。 •項目は視線の流れに沿って配置する

手軽に導入できるASP型のEFOツールも

また、フォームの入力ミスがあればその場でアラートを出すなど、リアルタイムでサポートし、フォームの入力完了率を高める「EFOツール」というものもあります。これらを導入するだけでもCVRが10%~60%程度増加するため、必ず導入をおすすめしています。「EFOツール」を検索すればたくさん出てきますので、自社にあったものを選びましょう。なお、当社では価格と機能のバランスからいくつかのツールを推奨し提供しています。 (参考:CVRを改善するツールの一覧 ≫)

まとめ:ランディングページなしでリスティングの成果は出ない

ここまで、顧客視点でのランディングページの制作方法について概略を説明してきました。ランディングページの制作は外注されることが多いと思いますが、外注先がここでのポイントをしっかり押さえられているかよくチェックして「強い」ランディングページを持ってリスティング広告に着手してください。(参考:ランディングページ作成ツールの一覧 ≫) 参考:ランディングページ制作会社の一覧 ≫ なお、無料Ebook「リスティング広告スタートアップガイド」では、この前後のステップも含め、リスティング広告やウェブマーケティングを成功させるためのノウハウをまとめてありますので、ぜひダウンロードしてご覧ください。

(参考)あわせて読みたいLISKULの記事

◆成果の出るランディングページを作る方法│14記事まとめてご紹介 http://liskul.com/lp_create14-3136 →LISKUL上にあるランディングページの記事をまとめてあります。まずはこちらを参考にしてみてください。 ◆【完全保存版】必見!成果を上げるランディングページの作り方 http://liskul.com/landing-page-1015 →ここまで紹介してきたプロセスについて別の切り口で説明してあります。 ◆基本を押さえたランディングページのテンプレート http://liskul.com/lp-template-1545 →実際に使えるランディングページのテンプレートがダウンロードできます。 ◆簡単にA/Bテストができるツール「Optimizely」完全マニュアル http://liskul.com/optimizely-manual-1940 →A/Bテストが簡単にできるツールの使い方の紹介です。 ◆Googleアナリティクス ウェブテストで手軽にグロースハック http://liskul.com/wm_gawebtest-3874 →GoogleアナリティクスでもA/Bテストが実施できる機能があります。 ◆入力フォーム改善でCV率1.6倍!成果を上げる18のテクニック http://liskul.com/wm_formcv16x18-3786 →入力フォームの成果を上げるテクニックについて実例を挙げながらわかりやすく紹介しています。 当サイトLISKULではランディングページ(LP)改善のポイントを複数の記事で説明しています。

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