Zenfone 9
デザインが毎年のように変化するZenfone。Zenfone 6/7には、可動式レンズのフリップカメラを背面に搭載。昨年はフリップカメラを廃止したZenfone 8と、フリップカメラを搭載したモデルとZenfone 8 Flipをラインナップ。 今年のZenfone 9は、前世代で好評だった片手にすっぽり収まるコンパクトボディはそのままに、さらにデザインを変化・進化させたことでZenfone史上最高のボディに仕上がっています。 史上最高のボディには最新のチップセットが搭載。IP68等級の防水・防塵、おサイフケータイにも対応するなどバランスが良く、価格も優しめに設定されたZenfone 9をレビューします。 ※この記事はすべて税込表記です。 片手で快適に操作できる幅68.1mmのコンパクトボディの背面に新開発の表面処理を施すことでガラスや金属とは異なるザラザラながら柔らかい質感で、他のスマートフォンにはないものを実現しています。 これから寒くなる季節、冷える屋外でもスマホに触れることが億劫にならない温かみもあり、プラスチックのパネルとしては最高だと思いますが、経年劣化が心配なところです。 前世代はラウンドフォルムを採用していましたが、ほぼフラット化された背面には巨大な2つのカメラレンズが搭載されています。 高さが異なるのはボディとカメラだけではなく、2つのレンズ同士の高さも異なっているため、奥から手前に向かって緩やかな傾斜がついていますが、気になるのは見た目だけで操作に特に影響はありません。 側面がフラット化したことの影響か、Zenfone 8のディスプレイ指紋認証が不評だったのか、コスト的な問題かは分かりませんが、右側面に搭載される電源ボタンには指紋認証センサーが内蔵されています。 技術的にはグレードダウンになるかもしれませんが、右手でスマホを操作して親指でセンサーにアクセスできる人にとっては嬉しいアップデートです。 一方、筆者のような左手でスマホを操作して人差し指でセンサーにアクセスする場合は、センサーに指を載せることが難しいこともあって精度が劇的に低下するため、あまり嬉しくないアップデートになりました。 フロント側はパンチホールデザインと上下が不揃いのベゼルを採用しています。不揃いのベゼルが改善されれば、デザインとしては95点以上でしょう。 トップには有線イヤホンの端子、ボトムにはUSB PD 3.0に対応した最大30Wの急速充電が可能なUSB-C端子が配置されています。 カラーバリエーションはスターリーブルー、ムーンライトホワイト、サンセットレッド、ミッドナイトブラックの4色です。 今回のレビューにはミッドナイトブラックを使用していますが、どれも魅力的なカラーです。 チップセットは2022年秋冬発売のハイエンドスマートフォンに採用されているSnapdragon 8+ Gen 1を搭載。今回レビューするモデルのメモリは8GBです。 CPUの性能を数値化するベンチマークをGeekbench 5で3回計測したところ、平均値はシングルコア1,097点、マルチコア3,871点を記録。 高性能モードにすると、シングルコア1,323点、マルチコア4,330点まで向上しました。10%〜20%の改善です。 ▼Geekbench 5 次にゲームを快適にプレイできるかに大きく関わるGPUの性能を3D Markで計測。 瞬発的な描画性能を計測できるWild Life Extremeは平均2,586点を記録。高性能モードにすると2,816点まで向上しました。 申し分ない性能で、高い描画性能が要求されるApexモバイルも快適にプレイできました。 ゲーム中も発熱はしますが、そこまで気にならない程度。パフォーマンスへの影響はまったくありません。 ▼3D Mark – Wild Life Extreme 1つ前のチップであるSnapdragon 8 Gen 1は発熱問題を抱えていて、いずれのメーカーも対応に苦戦を強いられていました。 熱をほぼ無視してハイパフォーマンスを提供するメーカーもあれば、パフォーマンスを犠牲に発熱を解消するなど対応はさまざまです。 マイナーアップデートにあたるSnapdragon 8+ Gen 1を搭載し、効率的に熱を分散できるベイパーチャンバーを搭載し、冷却部分を倍の大きさにするなど、新しい冷却システムを導入したZenfone 9の発熱はどうでしょうか。 ゲームの長時間プレイなど、スマートフォンを長時間の操作した時の描画性能が計測できるWild Life Extreme Stress Testでは、平均でベスト1,787点、ロー1,476点を記録。 3回の計測でもスコアにかなりバラツキがあり、発熱によって最大57%、最小99.7%までスコアが落ちる結果に。 ▼3D Mark – Wild Life Extreme バッテリーの容量は4,300mAhです。フラグシップモデルが5,000mAhのバッテリーを搭載することを考えれば容量は控えめですが、Zenfone 9はコンパクトサイズなので消費電力は他のモデルに比べて小さいはずです。 電池持ちを検証するために、ディスプレイの明るさを最大に設定し、リフレッシュレートを最大に引き上げてApexモバイルを1時間プレイしたところ20%減少し、YouTubeを60分連続で再生するしたところわずか8%の減少でした。 動画など映像系のコンテンツは電池消費量は大きくないものの、タッチ操作が加わると大幅に増えるようです。 バッテリーの充電はUSB PD 3....